総合情報誌RinRin Vol.254[夏号] 2024年8月

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- 知っているようで 知らない 健 康のキホンをひもときます。
そのモ ヤモ ヤ、まるっと解 決!
今 回のテーマは 私 たちの 健 康 維 持に欠 か せない「 ホ ル モン」。
健 康のキホン
よく〝 女 性ホ ル モン〟や〝ホ ル モンの 乱 れ 〟などと
胞内にある特定の受容体と結合することで初めてホル
ホルモンとは?
心の安定や毎日の成長・エネルギーとなるものから、
モンとして作用します」
要な役割を持つ「ホルモン」
。今回は、女性ホルモ
ンに詳しい婦人科医の松村圭子先生に、ホルモンと
な物質といわれています。ホルモンは多すぎても少なす
も体への影響は大きいため、〝 繊細かつダイナミック 〟
いずれのホルモンも分泌量はごくわずかですが、微量で
上あり、私たちの健康や感情をコントロールしています。
ロトニン、眠りを誘うメラトニンなど 、実は100種類以
ことです。成長ホルモンや幸せホルモンともいわれるセ
「ホルモンとは体の機能を一定に保つための化学物質の
自 力 で は コ ン ト ロ ー ル し に く い 眠 気 や イ ラ イ ラ、 だ る
し ま す。 そ れ ら が 私 た ち の 心 身 に ゆ ら ぎ を も た ら し、
ンは月経周期と連動して分泌量が波を描くように増減
響 を 及 ぼ し や す い と さ れ て い ま す。 2つ の 女 性 ホ ル モ
分 泌 量 が 大 き く 変 動 す る た め、 男 性 よ り も 心 身 へ の 影
閉 経 な ど が あ り、 ラ イ フ ス テ ー ジ に よ っ て ホ ル モ ン の
ロゲステロン(黄体ホルモン)です。女性は、
月経や出産、
つの女性ホルモン、エストロゲン (卵胞ホルモン)とプ
の付き合い方を伺います。
ぎても本来の働きが機能しません。必要なタイミングで
さ と い っ た 不 調 を 引 き 起 こ す の で す。 ま た、 ホ ル モ ン
分 泌 の 司 令 塔 で あ る 脳 の 視 床 下 部 は、 自 律 神 経 も コ ン
ト ロ ー ル し て い る の で、 ど ち ら か 片 方 が 乱 れ る と た ち
精 巣 や 女 性 の 卵 巣 と い っ た 場 所 で す。 ホ ル モ ン は、 脳
腰 の あ た り に あ る 腎 臓 や 腎 臓 の 上 に あ る 副 腎、 男 性 の
腺とは、脳内にある下垂体や首にある甲状腺、副甲状腺、
「 一 般 的 に ホ ル モ ン は 内 分 泌 腺 で 作 ら れ ま す。 内 分 泌
をするとされるイソフラボンが豊富な大豆製品を積極
運 動 も 良 い で し ょ う。 ま た、 エ ス ト ロ ゲ ン に 似 た 働 き
自 律 神 経 を 整 え る た め に 有 効 で す。 血 流 を 促 す 適 度 な
質 の 良 い 睡 眠 を 心 掛 け る こ と は、 ホ ル モ ン バ ラ ン ス と
で ホ ル モ ン に と っ て も 大 敵。 リ ラ ッ ク ス で き る 時 間 や
ま ち 崩 れ て し ま い ま す。 自 律 神 経 は ス ト レ ス に 弱 い の
からの〝 ホルモンを出しなさい〟という指令によって分
的に取ることもお勧めです」
ホルモンはどこで作られますか?
必要な量がバランス良く分泌されることが重要です」
「 特 に 乱 れ や す い ホ ル モ ン が、 卵 巣 か ら 分 泌 さ れ る 2
ホルモンの乱れと上手に向き合うには?
乱れると不調を招くものまで、心身の健康維持に重
今回の
テーマ
泌 さ れ、 血 液 で 運 ば れ て 特 定 の 細 胞 ま で 届 き ま す。 細
先生
松村圭子
No.5
耳にしますが、体の中では何が 起こっているのでしょう。
教えてくれたのは ……
まつむらけいこ/成 城 松 村クリニッ
ク院 長。広 島大 学 医学 部 卒。2010
年 に 成 城 松 村 クリニック を 開 院 。
『これってホル モンのしわざだったの
ね 』( 池 田 書 店 刊 )
、
『女 性の悩みは
Femtech で 解 決 ! オトナ 女 子 のた
めのカラダの教 科 書』
( 宝島 社 刊)を
はじめとする多くの著書を執 筆。
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Illustration _ Alessandro Bioletti
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