総合情報誌RinRin Vol.252[冬号] 2023年12月

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- 知っているようで 知らない 健 康のキホンをひもときます。
そのモ ヤモ ヤ、まるっと解 決!
今 回のテーマは「 血行不良 」。
健 康のキホン
血行不良は健 康 や 美 容 の天 敵ともいわれますが、
な り ま す。 脳 へ の 血 流 も 低 下 す る の で、 気 分 の 落 ち 込
血行が悪いとどうなるの?
日に日に気温が下がり、寒さで体が縮こまりがち
な冬。血行不良で体が冷えると、さまざまな不調を
みなど脳機能への影響が出ることもあります」
し、寒さで血管が収縮すると血液の流れは滞り、体の末
速さで流れていることが、血行が良好な状態です。しか
り、本来、適正な血管の太さ、適正な血液の量、適正な
運 び、 老 廃 物 や 二 酸 化 炭 素 を 回 収 す る と い う 役 割 が あ
呼 ば れ ま す。 血 液 に は、 体 の 隅 々 ま で 栄 養 素 や 酸 素 を
「血行とは血液が体内を循環することを指し、血流とも
の院長、南雲久美子先生にお話を伺いました。
やします。温熱性の発酵茶 (紅茶や烏龍茶)などを飲み
ヒ ー や 緑 茶 は 寒 涼 性 な の で、 ホ ッ ト で 飲 ん で も 体 を 冷
寒 涼 性 と 温 熱 性、平 性 に 分 け ら れ ま す。 例 え ば、 コ ー
う。まずは、
〝 体の中から冷やさない 〟こと。食べ物は
証 拠 で す。 そ ん な と き は 4 つ の 習 慣 を 取 り 入 れ ま し ょ
ク し ま し ょ う。 紫 が か っ て い た ら、 血 行 が 滞 っ て い る
「 朝 起 き た と き、 鏡 を 見 て 唇 や 歯 茎、 舌 の 色 を チ ェ ッ
血行不良に自分で気付くにはどうすればいい?
細 胞 に 届 か ず、 肌 や 髪、 爪 へ の ダ メ ー ジ も 受 け や す く
引き起こすといわれますが、そもそも血行不良とは
端まで血液が届きにくくなります。この状態が血行不良
ましょう。次に〝 外から冷やさない〟こと。特に温める
どんな状態を指すのでしょう。目黒西口クリニック
です。気温の低下のほかにも、運動不足や水分不足、食
べ き は 首、 お な か、 足 首 で す。 た だ、 就 寝 時 の 靴 下 は、
足 裏 に 汗 を か き や す い 人 に と っ て は 逆 効 果。 寝 て い る
生活の乱れやストレス、デスクワークなど長時間同じ姿
勢でいることも血行不良の要因となります」
間、 汗 が 冷 え て さ ら な る 冷 え を 招 く の で、 熱 が こ も ら
ないレッグウォーマーがお勧めです。
〝 冷えたら温める〟
「血液の流れが滞ると全身に温かい血液が行き渡らな
い体づくり〟です。血液を全身へ送るには適度な筋肉が
をかき過ぎない程度につかりましょう。最後に〝 冷えな
血行不良が続くとどうなりますか?
℃ の お 湯 に 心 地 い い 時 間、 汗
く な り、 さ ら な る 冷 え を 招 き ま す。 ま た、 血 液 や 筋 肉
必 要 で す。 特 に 大 き な 筋 肉 の あ る 下 半 身 を 効 率 的 に 鍛
~
に た ま っ た 老 廃 物 や 疲 労 物 質 が 循 環 さ れ ず 蓄 積 し、 む
え ま し ょ う。 ス ク ワ ッ ト や 爪 先 立 ち 運 動 な ど〝 な
こ と も 有 効 で す。
く み や 肩 凝 り、 腰 痛 の 原 因 に。 さ ら に、 古 い 細 胞 と 新
がら〟でできるものでOK。継続することが大切です」
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先生
南雲久 美子
今回の
テーマ
しい細胞の入れ替わりのために必要な栄養素や酸素が
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No.3
体 内ではどのようなことが 起こっているのでしょう。
教えてくれたのは ……
なぐもくみこ/東京慈恵会医科大学、
関 東 逓 信 病 院( 現 NTT 東日本 関 東
病 院 ) を 経 て、 北 里 研 究 所 東 洋 医
学総合研究所にて漢方・鍼灸を学ぶ。
1996 年 東 洋 医学と西洋 医学を融 合
して治療する目黒西口クリニックを開
業。著書に『冷え症・貧血・低 血 圧』
(主婦の友社 刊)などがある。
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Illustration _ Alessandro Bioletti
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