総合情報誌RinRin Vol.250[春号] 2023年4月

- ページ: 14
- 健 康のキホン
今 回のテーマは「ストレス」。
健 康 面でストレスは 大 敵といわれていますが、
No.1
実 際はどうなのでしょう?
ストレスって悪者なの?
ストレスは減る一方、今度は〝 生活の満足度 〟が低くな
の 負 荷、 ス ト レ ス が 生 じ ま す。 何 も 求 め な か っ た ら、
〝 ス ト レ ス 社 会 〟と 称 さ れ、 ス ト レ ス 緩 和 に ま つ
わるアイテムであふれる時代。無意識のうちにスト
り ま す。 穏 や か な 暮 ら し は 得 ら れ て も、 刺 激 の な い 生
活 に 生 き る 喜 び を 見 い だ せ な く な る で し ょ う。 こ の と
「よく〝ストレス社会 〟という言葉を耳にします。現代
り越えたときの達成感や満足感も心の健康には必要な
る は ず で す。 日 頃 の 安 心 感 に 加 え、 適 度 な 緊 張 感 を 乗
。精神科医の内
き、 適 度 な 緊 張 感 も 欲 し く な り ま す。 ジ ェ ッ ト コ ー ス
の象徴語として使われ、昔よりどんどんストレスが増え
の で す。 よ り 良 い 未 来 を 考 え な が ら、 適 度 な ス ト レ ス
タ ー な ど で、 一 時 的 に ス リ ル を 求 め た く な る こ と も あ
て き て い る よ う に も 聞 こ え ま す が、 そ う で も な い の で
と安心感の間でバランスを取ることが重要です」
く 暮 ら し は 過 酷 な も の で し た。 農 作 物 を 育 て る た め に
大 雨 や 洪 水 な ど 自 然 の 脅 威 と 闘 っ た り、 夜 に 畑 を 荒 ら
当 て ま し ょ う。 親 し い 人 に 話 す こ と も 大 事 で す。 深 い
す猪などのために安心して眠ったりもできなかったで
しょう。生きるうえでの心労 ス
= トレスは多かったの
です。昔は、このような生命・生存や生活を脅かすような
頭の中を整理することも大切です。ときに、ノートに気
悲 し み や シ ョ ッ ク を 解 消 す る に は 時 間 が か か り ま す が、
ま つ わ る 不 安 や 緊 張 な ど 心 理 的・ 社 会 的 な も の が 増 加
持 ち を 書 き 記 す こ と が 役 に 立 つ こ と が あ り ま す。 書 き
出 し た 出 来 事 を 読 み 返 し、 そ こ に 題 名 を 付 け て い く こ
とも良いでしょう。題名を付けることで、過去の出来事
「ストレスは、生きている以上、誰もが感じるものです。
じられるようになります。心の健康のために、ストレス
う し て ス ト レ ス か ら 回 復 す る と、 達 成 感 や 満 足 感 も 感
として、距離を取って心を整理するのに役立ちます。こ
私 た ち は、 よ り 良 い 生 活 や 幸 せ を 求 め て 日 々 考 え、 と
から逃げるだけでなく、上手に向き合っていきましょう」
現代人が抱えるストレスは悪者なのでしょうか?
し、いまと昔でストレスの種類が変わってきています」
ス ト レ ス が 大 部 分 だ っ た の に 対 し、 現 代 は 人 間 関 係 に
「 心 が 疲 れ た と き は、 睡 眠 や 趣 味、 気 分 転 換 の 時 間 に
どうしたらうまく付き合っていけますか?
す。 例 え ば 昔 の 日 本 は、 寒 さ 暑 さ を し の ぐ も の も 少 な
山真先生にお話を伺いました。
そもそもストレスとは何なのか
―
レ ス は 心 に も 体 に も 悪 い も の と 思 わ れ が ち で す が、
今回の
テーマ
き に 悩 み ま す。 そ し て 現 実 と の ギ ャ ッ プ が あ る と、 心
先生
内山 真
そのモヤモヤ、まるっと解 決!
知っているようで 知らない 健 康のキホンをひもときます。
教えてくれたのは ……
うちやままこと/ 東 京 足 立 病 院 院
長、日本 大 学 客員教 授、東 邦大 学
客員教授。前日本睡眠学会理事長。
専 門は 精 神医学、睡 眠 医学。著 書
に『 睡 眠 のはなし』
(中 央 公 論 新 社
刊)
『 睡 眠 学の権 威 が 解き明かす 眠
りの 新 常 識 』
(KADOKAWA 刊 )など
多数。
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Illustration _ Alessandro Bioletti
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