総合情報誌RinRin Vol.239[立秋] 2020年8月

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- 「健康長寿のための食生活」 シリーズ②
A G Eの 量は 調 理 方 法に よ っ て 変わ り ま す
前号からスタートしたシリーズ企画 ﹁健康長寿のための食生 活﹂ ︒1 回 目 は ︑ 老化の元凶が糖化の進行によって体内に大量に 作られる悪玉物質 ﹁AGE ﹂ であることをお伝えしました︒ 2 回 目 か ら は︑ ﹁A G E ﹂ の 摂 取 を 控 え る た め に︑ どのような 食事をすればよいのか︑ 具体的な方法をご紹介していきます︒
まぐろを焼きすぎるとAGEの量が多くなるので、 さっと表面だけを焼いていただき ます。 ごまをまぶしつければ、 アンチエイジング効果がグンと高まり、 香ばしさも増 しておいしさアップ!
Vol.10
高 温で 調 理 さ れた 食 品 は AGE 量 が 多 く 要 注 意
日 常 よ く 食べる ものの AGE 量 を 知ってお く
■健康長寿のための低AGE料理
① まぐろは半分に切り、 片面に薄くわさびを塗り、 もう片面にごまをまぶしつける。 ② フライパンにごま油を熱し、 ①の両面をさっと焼いて取り出す。 ③ 器にかいわれ大根を敷き、 そぎ切りした②を盛る。 混ぜ合わせた A をのせ、 和風ドレッシングを添える。
[ 材 料 ] (2人分)
[ 作り方 ]
AGEをま っ たくとらずに生活する ことは不 可 能です︒しかし︑ AGEを できるだ け 体にためないように意 識 して食生活を送るかどうかで︑ 将来の ﹁若さ﹂ に大きな差が生じてきます︒ という 単 位 AGEの量は ﹁ KU ﹂ で表しますが︑ 1日の上 限としたいA GEの摂取量は7000KUです︒ 毎日の献 立のAGE量をいち ただ︑ いち 計 算 するのは大 変です︒そこで︑ どのよう な 食 品にAGEが多 く 含 ま れるのかを 見 分 けるための︑ いくつか の目安をご紹介したいと思います︒ まず一つは︑ 調理方法です︒同じ食 材でも︑ 調理の仕方でAGEの量は大 きく変わります︒ 高 温での調 理で 最 も 危 険 なのが︑ す︒揚 げ る 場 合 の 温 度 は 170 〜 200℃︑ オーブンや窯などで焼 く 場 合は300℃に達 することも あ り ま すが︑ このような高 温で調 理 すると︑ AGEの量は急激に増えてしまうので す︒例えば︑ 鶏のむね肉は煮ると生の 約1 ・ 5倍︑ 焼 く と7 ・ 5倍︑ 揚 げ ると 約 倍に増えます︒ また︑ 同様の理由で ﹁茶色い食べ物﹂ には要注意です︒前回︑ 糖化はいわゆ る ﹁コゲ﹂ だというお話をしましたが︑ 実 際にAGEは茶 褐 色をしています︒ 焼 く︑ 揚 げるなどの高 温で調 理 した 食べ物は茶 色っ ぽいものが多 く︑ なん となく 体に悪いという 印 象があ り ま すが︑ 実際もその印象通りなのです︒
(水けを切る)………100g 刺身用まぐろ (赤身 ・ さく) …………200g A 大根おろし (小口切り)………………・・ 3本 かいわれ大根 …………………1/2パック 小ねぎ (市販)…………大さじ2 練わさび ………………………小さじ1/2 和風ドレッシング いりごま (白 ・ 黒) 、 ごま油…・・・各小さじ2
まぐろのごままぶしソテー
そしてもう一つ︑ 私たちが日常的に よく 食べるもののAGE量 を 知っ てお くことも大切です︒ ま ずは主 食︒主 食の中でAGEが 最も少ないのはごはんです︒ 1食当た りの平 均 的 な 量でごはんと他の主 食 を比較すると︑ トーストは3倍弱︑ コ ー ン フレークは8倍 弱︑ パスタは約 倍︑ パ ンケーキは約 倍にもなります︒ タンパク源である肉 ・ 魚介 ・ 乳 次に︑ 製品 ・ 卵につ いて︒基 本 的には魚 介 類 より 肉 類の方が多めです︒乳 製 品で は牛乳やヨーグルトは低AGEですが︑ チーズは熟 成 期 間の長いタイプのもの は特に高AGEなので要注意です︒ 卵はAGEの値が低 くボリュ ームも あり︑ おす すめの食 品 ︒ただし︑ 油で 加 熱 すると一気に量が増 えてしま う ので︑ 調 理 するならゆで卵やポーチド エ ッグなどにするのがおす すめです ︒ 野 菜や果 物は全 体にAGEが少な めです︒ ただ︑ 果物のとりすぎは糖質 のとり す ぎにもつながるので︑ 量には 注意しましょう︒ 10
AGE量 約780KU
監修 牧田 善二
牧田クリニック院長︒ 糖尿病︑ アンチエイ ジング専門医︒ 医学博士︒ ニューヨークのロック フ ェ ラ ー 大 学 生 化 学 講 座 な ど で︑ 老化の原因と の研究を約5年間行 して注目されている う︒ 北海道大学医学部講師︑ 久留米大学医学部教 授 を 経 て︑ 2003 年に糖尿病をはじめとする 牧田クリ 生活習慣病︑ 肥満治療のための ﹁ ニック﹂ を開業︒ これまで延べ 万人以上の患者 を診ている︒
調理のポイント
A G E
A G E
75
20
A G E
12
15
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